成功体験が思考の器を小さくしている | 豊アルケミー株式会社

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成功体験が思考の器を小さくしている

会社の成長が自分の思うように伸びていないと感じる今日この頃です。
おそらく傍目にはそのように映らないとは思いますが、今後の成長のために何をすべきか、なかなか見いだせていません。

いろいろと手は打っており、成果が出ている部分もあります。
しかしながらこの先スケーリングしていくイメージがなかなか湧いてきません。

それどころか自分の業界がこの先、縮小していくのではないかとすら思い始めていました。
実際、この1年の外部環境は厳しいものがあり、まだそこから抜け出せていません。
いくつかの取引先は減産で苦しんでおり、当然、当社もその影響を受けることになります。

ある時、自社が市場として選択している範囲に目を向けてみました。
ニッチな分野であり、競合は必ずいますが、新規参入も少ないので、私も地道に取引先を拡大することができ、小さな成功体験を積み上げてくることができました。
しかし当たり前のことですが
「新規参入が少ない市場に身を置いていること」
これがスケールしにくい一番の原因だと気が付きました。
金属スクラップ市場は現在も伸びており、この先も拡大が予想されています。
理由はカーボンニュートラルやインドをはじめとする新興国の需要拡大が挙げられます。
もちろん頭では分かっていますが、意外と体が向かないものです。

「自分でやってきた」
ということが足かせになっていると感じています。
自分だからできたという自負があるためだと思います。
これが視野を狭くしています。
そして自分にしかできないという属人化を生じさせてしまっています。
社内における業務については属人化の解消を図っていますが、最も属人化しているのが社長の業務なのです。

社長業というのは属人化するものではあります。
問題は、属人化したものを放置してしまうことだと思います。
どこかの時点で社員にバトンタッチしていかなければなりません。

会社が伸び悩む理由は、トップが業務を抱え込んでしまうことも大きな理由です。
本当に自分でないとできない仕事なのか?
それはおそらく成功体験からくる思い込みで、思考の器が小さくなっているのです。
別の経営者を見ていると、器用な人ほどこうした傾向が強いような気がしています。
実は人に任せてしまった方が、よりうまくいくこともあります。
また他人がやることで、業務を客観視できるようになり、よりブラッシュアップできるようになります。

この先、市場を広げたようと考えたとき、自分の力だけではどうにもなりません。
そこに向けて人材を登用する必要が出てきます。
私の過去の成功体験は単なるノウハウです。
誰でも使える形にすることです。
そう思ったときに活路が見えてきました。