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『採用は営業』 働きたい=買いたい

最近、「なかなか人が採れない」「募集しても応募がこない」といった声を多く聞く。
待遇もそこまで悪くないし、働きやすい環境も整えているつもりなのに──。
そんな悩みを抱える中小企業の経営者は、私だけではないだろう。
しかしふと、ある視点に立ち返ってみた。
「採用とは、営業そのものではないか」と。
この視点に立つと、今の課題が不思議と整理されてくる。
求職者にとって、自社は“買うに値する商品”になっているだろうか?

『採用は営業である』

――「買ってもらう」視点を持つ
採用活動は営業活動に通じる。
いや、むしろ営業そのものである。
経営者の多くが、採用難に直面している。
優秀な人材を求めても、条件のよい会社に流れてしまい、なかなか自社を選んでもらえない。
私自身もそうした悩みを抱える一人だ。

中小企業は採用市場では「弱者」

自社の商品やサービスについては、ニッチな市場に適合させ、工夫を凝らして大手と差別化し、十分に勝負できている企業も多い。
しかし、採用市場においてはどうか?
ここでは中小企業であっても、大企業・中堅企業と真正面から競合せざるを得ない。
しかも、労働人口が減少している今、人材の供給自体が不足している。
競合に負けない待遇――給与や休日、福利厚生などの「見える条件」を提示できなければ、そもそも土俵に立つことすらできない。

見えない魅力も、まずは比較対象にのらなければ

もちろん、仕事のやりがいや社長の人柄、社風の居心地の良さなど、目に見えない魅力も重要である。
しかし、それらはあくまで「応募先リストに載ったあと」の話だ。
求職者は、誰しも自分の生活を守るために、最低限これだけは欲しいという待遇の基準を持っている。
自分がもし転職する立場だったら?そう想像するだけでも、まずは「生きていけるか」「家庭を支えられるか」といった基準を持つのは当然である。

顧客と求職者は、同じ目線で捉える

営業において、自社の商品・サービスを「誰に売りたいか?」と考えるとき、当然「高く買ってくれて、支払いもスムーズな顧客」を思い描くはずだ。
わざわざ条件の悪い相手に売ろうとは思わない。
それと同じで、良い人材に来てもらいたいのであれば、最低条件を満たすことは絶対に必要である。

採用は“入口”、でも本質は“関係構築”

仮に、衝動的に入社してくれる人がいたとしても、待遇や実際の仕事にギャップがあれば、すぐに辞めてしまうだろう。
それは営業で言えば「単発で終わる顧客」、つまりリピーターにならなかった状態である。
採用活動のゴールは「採ること」ではない。そこから継続して働いてもらい、戦力として定着してもらうことこそが、本質である。

「雇ってやっている」という発想は、時代遅れ

残念ながら、まだ「雇ってやっている」と考える経営者がいるのも事実である。
しかし、採用も営業も、本質は「選んでもらう」こと。働き手が会社を選ぶ時代において、その認識は改めなければならない。
採用活動とは、会社の魅力を正しく伝え、対価に見合う価値を感じてもらい、「一緒に働きたい」と思ってもらうための営業活動である
――そう捉えることが、採用難の時代を生き抜くための第一歩である。

 

豊アルケミー株式会社
代表取締役  桐山 宗久