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『ビジネスは「話し方」で決まる』 ユーモアと信頼がつくる学びの場
今年から地元の経営者の会に参加している。
先日、そこで3名の経営者によるプレゼンがあった。
内容的には、この会で学んだいることを自社の経営にどう生かしているか。
いずれも赤裸々な内容であった。
彼らの業種も、置かれている経営環境も、私の会社とはまったく異なる。
しかし、その語りから得た学びは大きかった。
何より印象的だったのは「話しぶり」である。
自然体で、ユーモアに満ちていた。
プレゼンは一人あたり20~30分、トータルで1時間以上にも及んだが、まったく飽きることがなかった。
むしろ時間が足りないとすら感じたほどである。
率直に言って、投影されていたスライドはビジュアル的に洗練されているとは言いがたい。
文字が詰まりすぎていたり、色使いが少しちぐはぐであったり、見づらい場面も多かった。
だが、そこに「引っかかり」があることで、つい見入ってしまう不思議な力があったのも事実である。
改めて、人の印象に残るプレゼンとは、整った資料ではなく、
「話す人そのもの」なのだと気づかされた。
表情、声のトーン、間、そして何より自己開示。
自分の弱さや悩みを包み隠さず語る姿勢に、私は強く心を動かされた。
翻って、私はどうだろうか。
本来、ジョークやふざけた話が好きな人間である。
しかし、人前に立つと「こうあるべき」という思考が先行し、つい堅くなってしまう。
ユーモアが抜け落ちてしまうのである。
あまり意識しすぎると不自然になるかもしれない。
だが、相手に伝えるという目的を考えれば、自分がどう見られるかではなく、どう伝わるかのほうがはるかに大切である。
この会に参加して、もうひとつ印象に残ったことがある。
それは「場の空気があたたかい」ということだ。
笑いが多く、誰かが話すたびにリラックスした雰囲気が生まれていた。
いわゆる「心理的安全性」がそこにはあった。
なぜ、そんな空気が成り立つのか。
それは、お互いが信頼関係でつながっているからだと思う。
この会には厳密な守秘義務契約があるわけではない。
だが、誰かの経営課題や個人的な悩みを、弱みとして利用しようとする人間はひとりもいない。
そう確信できる空気がある。
ビジネスとは、人と人との信頼関係の上に成り立つものだ。
この原則を破る者は、いずれ信用を失い、誰からも相手にされなくなる。
「ビジネスとは、信用と信頼を形にしたものである」
改めてこの言葉の重みを噛みしめた夜であった。
そして私は、次に話す番が来たときに、どんな表情で、どんな声で、どんなユーモアを添えて話せるかを、少しだけ楽しみにしている。
豊アルケミー株式会社
代表取締役 桐山 宗久