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『外注する意味を考える』 専門家に頼りつつ、自分たちで考え続ける姿勢
外注を決断した理由
社内の在庫管理システムを構築し、リアルタイムに在庫状況を把握し、日次決算を可能にしたいと長年考えてきた。
自分なりに勉強し、少しずつ進歩はするものの、完成形のイメージを描くことができずにいた。
限界を感じ、外部の専門家に依頼することにした。
成果と違和感
専門家は在庫管理の理論だけでなく、実務に沿った提案を行ってくれ、システムも構築してくれた。
説明を受けているときは「これならできそうだ」という気持ちになる。
しかし、いざ運用を始めようとすると違和感が生じ、結局ストップしてしまう。
状況を共有し相談を重ねても、毎回同じく「できそうだが進まない」という繰り返しであった。
現場作業の制約
原因の一つは、現場作業を急激に変えられないことにある。
在庫管理は重要だが、それ自体が売上や利益を生むものではない。
スピードや精度を上げても、現場の生産性を落としてしまっては本末転倒である。
また現場スタッフが作業の意味を理解しないままでは継続は難しい。
正確な一次情報を現場から上げてもらうことが第一関門である。
紙とデジタルのはざまで
次の関門は管理部である。
現場情報をデータ化できれば良いのだが、現実には紙フォーマットへの手書きが最も効率的である。
フォークリフト運転中のタブレット入力は遅く、音声入力も精度が低い。
雨や雪、強風下で確実に記録を残すには、紙とペンに軍配が上がる。
ユーザビリティの壁
さらに大きな壁は管理部の事務処理であった。
従来からエクセルやスプレッドシートを使い、つぎはぎながらも実用性のある仕組みを作ってきた。
視認性や業務フロー確認を両立させ、必要に応じて柔軟に修正もできる。
一方、専門家が構築したデータベースはどうにもユーザビリティが低い。
コピペすら容易でなく、帳票作成のためにCSV出力を経て別アプリに回す必要がある。
正確ではあっても、とっつきにくく工数が増えてしまうのだ。
自前で気づいた突破口
ところが最近、現場と管理の改善を積み重ねる中で
「スプレッドシートでほぼ完成できるのではないか」
という感触を得た。
まだ運用途中で欠陥もあるかもしれないが、90%の確率で回せそうである。
欠陥があっても修正は容易だ。
ここで実感したのは、自前で考え抜き、自分たちの手に馴染む仕組みにすることの大切さである。
外注の本当の意味
専用システムは一度外注すれば改修に金も時間もかかる。
そして「専門家に任せたのだから」という甘えが生じる。
外注すること自体は否定しない。餅は餅屋だ。
ゼロベースで全てを自作することは大きな時間ロスになる。
しかし、お任せにしてしまうのは危険である。
専門家の知見が自社にそのまま適合するとは限らず、こちらの意図が十分に伝わっていない可能性もある。
結論
専門家を活用するにあたって重要なのは、自分たちの指針を明確にしておくことである。
外注はゴールではなく手段である。
主導権を自ら手放さず、常に自分たちの頭で考え続けることで初めて、外注の意味は生きてくるのである。
豊アルケミー株式会社
代表取締役 桐山 宗久