フランクフルトで開催されたリサイクル展示会のレポート 2026年6月 | 豊アルケミー株式会社 フランクフルトで開催されたリサイクル展示会のレポート 2026年6月 – 豊アルケミー株式会社

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フランクフルトで開催されたリサイクル展示会のレポート 2026年6月

海外展示会で見た、リサイクルの現在地

ドイツのフランクフルトで開催されたリサイクル展示会に行ってきた。

 

リサイクル展示会と聞くと、私の仕事柄、どうしても金属スクラップや非鉄金属のリサイクルを思い浮かべる。
しかし、実際に会場を見て感じたのは、いわゆる金属リサイクルそのものよりも、リチウムイオンバッテリーや、eスクラップと呼ばれるコンピューター、スマートフォンの基板などに重点が置かれているということだった。

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会場のメッセ・フランクフルト

 

 

リサイクルの対象が、明らかに変化している。
いや、変化しているというよりも、社会が抱える課題そのものが変化しているのだと思う。

バッテリーリサイクルと火災対策

特に印象に残ったのは、リチウムイオンバッテリーに関する展示である。

リチウムイオンバッテリーのリサイクル技術そのものも重要なテーマであるが、それと同じくらい、あるいはそれ以上に、火災をどう防ぐか、火災をどう早期に発見するかという部分に力が入れられていたように感じた。

リチウムイオンバッテリーは、今後ますます増えていく。
電気自動車、スマートフォン、パソコン、工具、蓄電池など、私たちの生活のあらゆるところに使われている。

便利である一方で、取り扱いを誤れば火災リスクがある。
リサイクルの現場においても、このリスクは無視できない。

「どう再資源化するか」だけではなく、
「どう安全に集めるか」
「どう安全に保管するか」
「どう異常を検知するか」

というところまで含めて、リサイクルの技術なのだと感じた。

これは、私たちのような現場を持つ会社にとっても、他人事ではない。

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AIによる選別技術の進化

もうひとつ印象に残ったのが、ソーティングと呼ばれる選別技術である。

会場では、AIやセンサーを活用して、金属や廃棄物を自動で選別していく装置が大々的に展示されていた。

リサイクルにおいて、選別は非常に重要な工程である。

いくら再資源化の技術が進んでも、入口の段階で異物が混ざっていたり、素材ごとに分けられていなかったりすれば、品質の高いリサイクル原料にはならない。

これまで人の目や経験に頼っていた部分が、AIや機械によって置き換えられていく。
あるいは、人の作業を補助する形で高度化していく。

これは単なる省人化ではない。
品質を安定させる技術であり、安全性を高める技術でもある。

金属リサイクルの現場では、素材を見分ける力が非常に重要である。
しかし、人による判断にはどうしてもばらつきがある。
熟練者であれば見分けられるものも、経験の浅い人には難しいことがある。

AIソーティングのような技術は、そうした属人的な判断を補い、リサイクル原料の品質を安定させる可能性がある。

もちろん、すべてを機械に任せればよいという話ではない。
現場には、機械では判断しきれないこともある。
しかし、選別という工程が技術革新の大きな対象になっていることは間違いない。

リサイクルの未来を考える上で、ソーティング技術の進化は避けて通れないテーマだと感じた。

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ドイツで感じた脱プラスチック

ドイツは以前から環境先進国と言われている。

そのことは展示会の中だけでなく、街のいろいろな場面でも感じることができた。

たとえば展示会場で首から下げる入場証である。
日本の展示会では、名刺サイズの紙や印刷されたIDをプラスチックケースに入れて、首から下げる形式が多い。

しかし、今回の展示会では、厚紙に直接印刷されたものに紐をつけて首から下げる形だった。
プラスチックケースを使わない。

小さなことではあるが、展示会後に発生するごみを減らすという意識が感じられた。

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買い物に行っても、レジ袋はこちらから言わなければ基本的には出てこない。
袋が必要だと伝えると、出てくるのは紙のバッグであることが多かった。

ホテルでも、タオルはできるだけ連続して使ってほしい、歯ブラシなどは自前のものを使ってほしい、という案内があった。

ひとつひとつは小さなことかもしれない。
しかし、そうした小さな選択が社会全体に浸透しているところに、ドイツらしさを感じた。

環境対応というのは、大きな設備投資や高度な技術だけではない。
日常の中で、どのような選択を当たり前にしているか。
そこにも、その国や社会の姿勢が表れるのだと思う。

見に行くことでしか得られないもの

インターネットを使えば、世界中の情報を集めることはできる。
AIを使えば、海外の技術動向について調べることもできる。

しかし、実際に現地に行ってみると、情報だけではわからないことがある。

展示のされ方。
来場者の関心。
現場で使われている言葉。
環境対応がどの程度日常に浸透しているか。
そして、同じ日本の中小企業が海外で挑戦している姿。

こうしたものは、現地に行って、自分の目で見て、自分の耳で聞くことで初めて実感できる。

リサイクルの世界は、これからさらに変化していく。

金属スクラップだけを見ていればよい時代ではない。
バッテリー、eスクラップ、AIソーティング、火災対策、環境対応、脱プラスチック。

社会の変化に合わせて、リサイクルの対象も、求められる技術も、現場のあり方も変わっていく。

その変化をどう受け止めるか。
そして、自社としてどう行動するか。

今回のドイツ視察は、そのことを考える大きなきっかけとなった。

豊アルケミー株式会社
代表取締役  桐山 宗久